素材は混ぜ合わせてみると、進化する

2018.12.26 (水)

素材には、それぞれその生い立ちから持つ特徴があります。
一つ一つの説明は、別コラム(アパレル素材の基礎知識)で記載していますが、違う性質を持つ素材を混ぜ合わせていくと、素材それぞれの長所と長所がミックスされることや短所がカバーされることが期待できます。

素材を混ぜ合わせるといってもその混ぜ方はいろいろあります。大きくは①糸の段階で混ぜていく。②糸を織り上げるときに混ぜていく方法があります。
①糸の作り方の中で混ぜる

1)混紡:ワタの状態で違う素材の繊維を混ぜて、それを撚って糸にしていきます。

2)交撚:素材の違う糸を作ったあとに、違う素材の糸と引き揃えてまとめて撚って一本の糸にしていきます。

②反物を織りあげるときに混ぜる
交織:2種類以上の違う素材の糸で織りあげる方法です。風合いを良くしたいときとか、強度を高めたいときなどに良く使われています。
今年の秋冬シーズンでもプリーツスカートの提案がちらほらと見られていましたが、プリーツはその形を保つために、形のセット力が強い性質の素材を用いています。基本的には、ポリエステルが優秀なのですが、熱によって形を作り維持するセット力のことを熱可塑性(ねつかそせい)といいます。ウール素材でプリーツスカートを作りたいと企画しても、ウール100%の生地ではプリーツがきれいにとどまり続けることが難しいかもしれません。セット力がそれほど強くないからです。この場合にはウール素材にポリエステルを加えることでウールの風合いをそのままに、熱可塑性を高めることができます。
このように違う素材を混ぜることで、欲しい特性を加えたり、弱みをカバーすることが出来ます。糸や生地は、素材を自由に組み合わせを変えて混ぜ合わせることでバリエーションがどんどんと増えていきます。望む性質を持つ素材ができることでファッションの可能性もまた、果てしなく広がっていくことが期待できます。

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