「おしゃれ」と「身だしなみ」の違いについて考えてみましょう。
外見を整えることは共通していますが、おしゃれと身だしなみとは違うものです。ではその違いって何なのでしょうか。
両者は、目的が違うのです。
おしゃれは自分のため。自分の楽しみ、趣味です。「主観視」と言われています。着たい服を選ぶ、好きなスタイルを楽しむという、自分の欲求を満たすものです。
一方で、身だしなみは相手のためのものと言えます。相手が不愉快に感じないこと。清潔できちんと整えられていることが大事です。そして自分の役割・ＴＰＯに合っているかが、重要です。身だしなみは、相手から見える自分、つまり「客観視」されているのです。
人の印象は3秒で決まると言われている。
オーディションや書類選考はまず初めに写真で選ばれます。
美しさとは別で、優しそう、怖そう、話しやすそう、などの印象が左右します。いくら優しくて真面目でいい人でも、能力が高くとも、書類選考を通らなければ、面接に進むことができません。外見は、自分の内面を外側で表現しているものです。好感を得る「身だしなみ」が整っているかどうかが、第一印象に左右するのです。
◇アメリカのビジネスパーソンの見た目の実験について◇
外見と年収の相関性について、興味深い実験結果があります。
アメリカで行われた、7500人のビジネスパーソンの写真を見て、好印象を5段階で評価してするというものがありました。写真での好感度でランク分けをして、それぞれのグループでの特徴をさぐる実験でした。結果として、印象によって区分けされたグループごとに、平均年収を追いかけて生涯年収を算出してみると、その金額には大きな違いがみられることがわかりました。見た目で好印象を受けたグループとその逆に印象が良くなかったグループを比較すると、一人当たりの平均生涯年収には4,000万円の差があったといいます。
大きな違いではありませんか？
都心を外れれば、家が一軒建てられる金額です。
実際、日本の社会の中でもスタイリストをつけている方はたくさんいます。それはＴＶや雑誌にでている有名人に限らず、会社を代表する社長、個人経営者、または講演・セミナーで、人前に出ることが多い方で成功している方は、スタイリストをつけることを自己投資としてみなします。その費用は必要経費として換算しています。成功者からすれば、セミナーに参加して知識を得ることも、スタイリストをつけて好印象の自分をつくることも、仕事を発展させていくための必要経費なのです。
私の知り合いで、昨年起業した20代の男性も、男性のスタイリストに月1度スーツをセットしてもらっています。20代の男性で、毎月数万円をスタイリスト代に使っています。あなたはどう感じたでしょうか。彼はスタイリスト代を支払うことを、その費用対効果を考えれば当たり前のこと、普通なのだと言います。
その効果は先に挙げたアメリカのビジネスパーソンの印象実験でも明らかなのです。
初対面で好印象を与える3つのポイント
外見はとても大事です。特に初対面であればなおさらです。では具体的に何に気を付ける良いのでしょうか。
次の3つを押さえましょう。
1つ目。
まずは自分を知ること。
身長、体重や骨格はどうだろう、肌や瞳の色はどうだろうなど、特徴を知っていることは、自分の魅力を知るうえで、そして外側で表現するうえでとても大切なことです。
2つ目。
次に、色彩理論やスタイル理論を取り入れること。
学校の授業では教えてくれないのです。色には理論があります。ファッションに取り入れるときのコツもあります。骨格や肉付きは人それぞれですので、何が似合うのかは人それぞれです。色のバランス、アイテムごとのバランスをとって組み合わせましょう。
3つ目。
そしてなりたい自分のイメージを持つこと。
外見をイメージチェンジしますと他人の目が気になってきます。今日はどこかお出かけ？なにか特別な日？と外側の変化を指摘されてると、気恥ずかしくなって、もとの服装に戻ろうとしてしまいます。しっかりと自分の気持ちの中でこれからステキに変わっていく自分を想像することが大切です。
とても大事な3点ですが、ご自分一人ではなかなか難しいかもしれません。なぜなら他人の目線で見る「客観視」が必要だからです。私は、パーソナルスタイリストとして、お客様に、ご希望やお気持ちをお聞きして、客観的に似合うものをお伝えしたいと思います。お客様に理論をお伝えすることはしません。難しい勉強をしてもらいたいのではありません。お客様のイメージした未来像に近づくような、なりたい自分になれるようなスタイルの提案ができるといいなと思います。
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