綿、麻、毛の糸の作り方を簡単に解説!

2021.05.18 (火)

生きている動物や植物から採取する綿、麻、毛は、とれる繊維の長さが短いです。

その短い繊維を、撚りをかける(ねじって繋いでいく)ことで、ながい一本の糸にしていきます。これを紡績といいます。化学繊維は、人工的に機械で作るので、長くしたければ好きなだけ長い糸を製造することができます。天然の繊維は、もともとの長さがあるので、糸にするまでに紡いでいく必要があります。
 
さて、毛の糸の作り方です。
大きく2つの糸があります。ひとつは梳毛。もうひとつは紡毛です。梳毛糸も紡毛糸ももちろん、短い毛を紡いでいくことには変わりありません。
梳毛糸は、比較的長めの毛を並べて櫛で髪を梳くように引き揃えます。並べた毛をまとめて撚っていく、という作り方をした糸です。細くて丈夫で毛羽の少ない糸になります。スーツの生地などに使われます。
紡毛糸は、短い毛をきれいに並べることなく、撚りをかけながら糸にしていきます。このため梳毛よりも毛羽が立っていて、空気を含んでふんわりとした糸になります。
セーターなどに使われます。
おなじ毛の糸でもその作り方によって、出来上がりが変わりますし、それによって適した用途が分かれます。面白いですよね。
 
綿でも、2種類の糸の作り方があります。
毛でいう梳毛糸は「コーマ糸」といいます。長めの綿を並べて梳いてから撚りをかけて糸にします。すると光沢のある糸になります。上質な素材として、比較的高価な製品になります。綿のなかでも長繊維である「海島綿」などは、もともとの繊維が長めで、そのなかでも長い繊維のみで梳いて撚りをかけて作った糸でつくった製品は、上品な光沢があり、綿でありながらシルクのような滑らかな素材になります。
毛で言う紡毛糸は「カード糸」といいます。一般的なTシャツなどはカード糸が使われています。
 
素材を知っていくと、ほんとうに服が楽しくなります。
アパレル業界に携わる人はもちろんですが、お洋服が好きな方は、その服が何で出来ているのか、というところに注目していくと、いっそう興味が増していくのではないかと思います。

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