糸の太さってどう決めているの?

2021.05.16 (日)

番手とかデニールって聞いたことがありますか?
これはどちらも糸の太さを表しています。でもそれがどのくらいの太さなのかが分かりにくいですね。

今回は糸の太さを表す単位の番手とデニールについて書いていきます。
なぜ違う単位で糸の太さを表しているのでしょうか。
番手は、ステープル糸を
デニールはフィラメント糸の太さを表します。デニールの他にテックスという単位もあります。
 
まずは番手について。
ステープルの糸の太さを番手という単位で表します。ステープルってなんだ?というところですが、ステープルとは短い毛を撚り合わせて一本の長い糸を作っていく製法でできた糸のことです。天然素材は基本的に短い毛です。綿は長くても20センチくらいです。麻も数十センチが限界、獣毛も短い毛です。短い毛を撚りをかけながら繋いで作ったのかステープル糸です。
番手は恒重式の単位です。重さが一定で、いったいどのくらいの長さがあるのかを示しています。毛番手は重さ1キロの糸が1キロメートルの長さであると、1番手といいます。10キロメートルの長さなら10番手となります。
 
いっぽうでフィラメント糸はなにかというと、化学繊維で長さがどこまでも長く作ることが出来る糸のことです。
ポリエステルやナイロンなどは、何メートルでも何キロでも(可能性としては)長く作ることができます。人工的に機械的に生産できる糸の太さをデニールやテックスで表しています。恒長式という表示方法で、一定の長さの糸がどのくらい重いのかを示します。デニールは「9000mに対して重さが1gが1デニール」です。重さが30gなら30デニールです。
 
私は、アパレルメーカーにいたこともあって、素材の作り方とか糸の製法とかにすごく興味があるのですが、そのひとつに糸の作り方にステープルとフィラメントがあることを学んだときに、本当に服は面白いなと思ったのです。
この「糸の太さの単位」については一般的にはあまり必要性が感じられないでしょうが、アパレル関係者、どんな素材でどんな服にしたいのかを決めるデザイナーはもちろん、とくに素材選定に関わるテキスタイル担当などにとっては、重要な単位です。糸の太さによって出来上がる生地の厚みやドレープ性などが想像でき、素材を取引するときにどれがイメージ通りの製品になるのかが判断できるからです。
 
それでも、タイツを選ぶときのデニールが分かっていると便利だと思います。黒のタイツを選ぶ場合、50デニールでは、着用するとすこし肌の色が透けて見えます。80デニールでは糸が太く、編み出されたタイツは着用すると黒の色がしっかりと残り、肌の色が見えにくくなります。防寒のためのアイテムではありますが、どんなふうに見せたいかを含めてデニールを選んでいくと、すてきなコーディネートができると思います。

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