光沢の美しいシルク デリケートな素材特性を知っておこう

2021.05.14 (金)

シルクの持つ特性、すばらしさ、魅力について、前回のコラムでお伝えしました。今回は、天然素材であるがゆえに持つ素材の特徴について書いていきます。

シルクはとてもデリケートな素材です。そのデリケートな素材を私たちは衣類や服飾雑貨に利用しています。素材のことを知らないでいると、想定外のトラブルが起こることがあります。ここでは特性と注意点を3つ挙げます。

シルクは摩擦の弱い素材です。「バッグを腕にかけて持っていたら、腕の生地が擦れてしまった」というクレームはアパレルメーカーで働いていたときに幾度か目にしています。擦れることで細い繊維が切られて毛羽立ち、擦れたあとになります。これが続くと穴が開きます。
 

日焼けも注意です。人間同様に、モノも日焼けします。壁紙も日に当たる場所は陰になる場所と色が違ってきます。当然洋服も日焼けします。基本的にどの素材も日に当たる場所での保管は厳禁ですが、絹は特に日焼けには注意です。絹はタンパク質で出来ていますが、紫外線にあたるとタンパク質の一部が黄色く変色すると言われています。保管場所には気をつけましょう。
 

水分によってシミになりやすいのも絹の特徴のひとつです。雨に濡れるなどによって、水分を含んだ繊維が膨らんで、光の乱反射によってシミができたように見えます。乾いてもそのまま乱反射は残ります。全体にスチームを当てて直ることもありますが、大切な衣類にシミができてしまったら、クリーニング店に相談することをおすすめします。
 

メーカー勤務のときには「こんなに高かったのに、すぐに着れなくなるなんて!」と怒られることがありましたが、シルクの価値は「丈夫でキズができない」ことではありません。擦れたりシミにならないことに価値を求めるのなら、シルク製品は選ばない方がいいのではないかと思います。シルクの持つ特徴を知って、その価値を含めて購入していただきたいと思います。
 

ちなみに、レーヨンは絹の代替素材として開発されました。絹の持つ美しい光沢を再現できて、安価に手に入る素材を作ろうとして生まれました。これは古代から高貴な身分の人しか着用できなかった、絹へのあこがれです。
レーヨンは絹同様に光沢があり、柔らかくなびき、ドレープ性に優れた素材です。ただし、絹製品を着ると、絹の断面が3角形のために触るとキュッキュッと絹ずれの小気味よい音がしたりするのがレーヨンにはなく、趣がないな、と感じてしまいます。やはり絹は代替のきかない、唯一無二の素材なのだろうと思います。

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