生地の名前はルールがない?

2018.12.28 (金)

織物を生地と言っています。洋裁を楽しむ人はもちろん、お子様の道具入れなどを作るために生地を買いに行くという人もいるでしょう。

生地屋さんに行くとたくさんの種類の反物が並んでいます。好きな長さを量り売りで購入できるお店も多くあります。アパレルメーカーに勤務していた時に、仕事で生地を購入する機会があって、よく都内の大きな生地屋さんに行っておりました。とはいえ、会社の製品化のための生地購入ではありません。店舗のウインドウディスプレイを変更する際に、背面の色を変えることでイメージが刷新します。私はディスプレイ変更のためによく生地を使用していました。しっかりとした色が出る点、軽くて扱いやすい点で生地はディスプレイによく利用されています。
生地屋さんでは、種類別に生地が置いてあります。用途別とも取れますが、子どもたちが好きなキャラクターのプリントものや、ピアニカなどの楽器を保護するのに適しているキルティング素材などは、まとめて並べてあるので選びやすいです。
私はよく綿100%のブロードクロスを利用していました。平織りで細い横畝のある織物です。いつものところで、いつもの場所に置いてあるのでその中で選んでいるのですが、ある日選んだのがブロードではなく「ポプリン」という名前の生地でした。実はポプリンもまた、平織りで柔らかな横畝のある織物です。見た目の違いが分からないので、ブロードと何が違うのか?疑問に感じておりました。調べてみると、「英国ではブロードをポプリンという」とのことで、ほぼ同じものという認識で良いそうでした。
基本的に織物は糸の渡し方で組織が変わり、名前も大きく区別されます。そして、素材(綿やウールなど)や糸の違いによっても名前が変わっていきます。しかし、その織物が発症した地の名前が付いていたり、発表したブランドの名前が付いていたり、ちょっと迷うことがあります。
結局言えるのは、「織物の名前には、その名付け方にきっちりとしたルールがない」ということです。また、名前で生地を選ぶとイメージとは違っていたりするので、生地選びは見て、触って選んで欲しいなと思います。
ちなみに、どんな名前の織物があるか、有名なところを挙げてみます。
織組織には3つの基本があります(三原組織といいます)。平織りと綾織りと朱子織です。平織りは一番しっかりとした経糸と横糸の組み方で丈夫です。平織りの織物では、ブロード、ポプリン、デシン、タフタ、シャンタン、ジョーゼットなどがあります。綾織りは、密集した組織で丈夫です。斜めに織柄が入っているように見えます。デニム、ギャバ、カルゼ、バーバリーなどがあります。朱子織は光沢があってしなやかな生地ですが、サテンやベネシャンなどが有名です。
生地は見ているだけで楽しいのですが、選ぶときにはその特性と用途がしっかりと合っていることが重要です。織組織まで見ることができたら、もっと楽しいと思います。

▼シェアをお願い致します!▼

関連する投稿

現在の記事: 生地の名前はルールがない?

お問い合わせ・ご相談はこちら

メールでのお問い合わせ

フォームからのお問い合わせ

お問い合わせフォーム »

コラムテーマ一覧

過去のコラム

主なコラム

⇑ PAGE TOP