綿の糸について 産地や長さで種類が分けられます

2017.06.14 (水)

Tシャツに用いられる素材は圧倒的に綿が多いです。機能性を求めた「新素材」などはスポーツの場面で使われていますが、肌ざわりの良さ、吸水性の良さから、肌着や夏衣料には、綿が欠かせません。

今回は綿の糸について記載します。
産地は中国、インド、アメリカが3大生産国です。

綿は種子の周りを覆っていて、これを摘んで、綿花を長さで分けていきます。比較的長いものは紡績されて衣料品などへ。短いものはパルプやレーヨン、セルロースの原料として利用されていきます。そして紡績される糸は、その長さで以下のように区分けされています。
1 超長・長繊維 (28mm以上)
スーピマ綿、シーアイランド綿などはシルクのようなツヤと滑らかさがあり、高級衣料品に用いられています。
2 中繊維(22.2~27.8mm)
世界の綿の90%は中繊維です。衣料用素材として使われています。
3 短繊維(20.6mm以下)
ネルやキャンバス地に使います。また、ふとんわたや脱脂綿などにも利用されています。
紡績される前の綿の糸は、長いものは60㎜などありますが、短繊維よりも長繊維が高級です。
さて、もともと採取される綿は短いので、これを糸にするために紡績していきます。綿糸は、撚り方や紡績過程によって風合いや着心地が大きく違います。
綿糸をロープのように撚った糸をリングスパン糸(普通紡績糸)と言いますが、現在、国産や中国産のTシャツの多くはこのリングスパン糸による生地が主流です。

この糸の紡績過程で、「梳く」工程を経たものとそうではないものがあります。もちろん、糸を引き揃えて、梳くと毛の表面がそろって滑らかになります。髪を櫛で梳かすのと同じ意味合いで、「コーミング」とも言いますが、コーミングをかけるとツヤが出て、滑らかでキレイな糸になります。肌触りも良くなります。手間をかけてきれいにしているのです。
これに対して、コスト面を考慮してコーミングの過程を省略したものを「カード糸」と言います。安価に仕上がることと、ラフな感触になるので、それぞれニーズがあります。
綿のTシャツといっても、その原料は産地や長さなどで種類があり、そして紡績されて糸になっていく過程での作り方にもいろいろな方法があって、それぞれの特徴が出てくるのです。
 
綿ひとつとっても、本当に奥が深くて、楽しいです。

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