「汗による変色もある。」
これから、どんどん暑くなって、汗をかいていく季節です。今回は、実際にあった汗によるクレームのことを記載します。
私は長年アパレルメーカーに勤務していました。そのキャリアの中で、お客様からのお問合せやクレームを受けつけ、対応するという部署に数年いたことがあります。
そのときに受けたお申し出のなかに、「汗をかいたので洗濯したら、まだらに変色した。Tシャツの品質がおかしいのではないか。」というものがありました。
送っていただいた品物を拝見すると、Tシャツの変色は、両脇の下や背中に強く見られたのを覚えています。汗による変色だと、部位によって感じました。
その時の体調や、服用しているクスリの影響で、汗の成分が変化します。それによって、いままではそんなことがなかったのに、汗の成分(酸性に、アルカリ性に傾く)が変化して、付着した部分のみ、洋服の色が変わることがあります。
その素材を使った品番を調べて、クレームが発生していないかを確認しました。ところが、何万枚も販売しているのに、色によるトラブルが発生していませんでした。
結果として、公的な品質調査機関に相談し、試験を依頼して出た調査結果をもとに、変色の要因は、お客様の汗だったとして、ご説明をし対応いたしました。公的な品質検査機関には、所見もいただきました。汗による同様の変色の事例があるのだそうです。
原因が個人的なことで、とてもデリケートなお話しで、対応にとても気を使ったクレーム事例でした。その時の体調や、状況で体質も変わるということで、起こる現象があるということは、消費者の立場としても知っていたいですね。