素材の基礎知識 ポリエステルについて

2017.11.14 (火)

ポリエステルは、石油を原料とする合成繊維のひとつです。

もともと、天然繊維の麻や綿に似せて、リーズナブルに生地を作るように、開発されました。
製造技術の進化とともに、減量加工されたシルキーライクなポリエステル繊維が生産されるようになり、
ポリエステル素材は、技術の進化とともにどんどんと改良されています。
今回はポリエステルの素材について、記載します。
 
1 耐久性が高い

ポリエステル最大の特徴と言えばやはり耐久性の高さです。丈夫です。
例えば、何度も洗濯をしても劣化しにくいことや、シワにもなりにくい特徴があり、衣服の素材として汎用性が高く、本当に良く使われています。持っている洋服の素材混率を見てみると、ポリエステルは本当によく使われているのがわかります。
 
2 吸湿性が低い

ポリエステルはその構造から、水分の影響を受けにくいという特徴があります。
水分を吸収しにくい素材ですので、洗濯後には、乾きやすいといえます。また、シーツや布団などにポリエステルを使っていることが多いのですが、これは寝ている間に汗をかいてもすぐに乾く、速乾性を持っているからです。水分を取り込みにくいその性質から、カビなどの雑菌も繁殖しにくいと言われています。
逆に言えば、水分を保持をしないので、冬の乾燥時期には静電気が発生しやすいです。
綿、絹、毛などの天然素材が持つ水分や吸湿性と比較すると、ポリエステルは、どうしても静電気は起きやすいので、着用する衣服の素材はしっかりとその特性を知って選んでいくと良いと思います。
 
3 熱可塑性が高い

熱可塑性(ねつかそせい)が高いというのは、熱によってセットされる力が強いということです。高温で柔らかくなり、平温に戻ると、そのままの形でセットされるという特徴があり、プリーツスカートなどでこの力は発揮されます。ファッションには欠かすことのできないプリーツ加工ですが、ポリエステルが開発されなければ、こんなに汎用しなかったのではないでしょうか。

高熱でセットしたプリーツスカートですので、高温をかけるとプリーツがとれる可能性もあります。アイロンをかける際は低温でするようにしましょう。
 
天然の繊維に代わるものを作り上げてきたのは、人間の知恵と努力によるもので、ポリエステルもまた、開発されて今現在もアパレルの分野で活躍している素材です。とても便利に使われていますが、その反面には気を付けなくてはならないこともあります。
実験で、着用している衣類に火が燃え移ったらどうなるかを天然素材の綿100%の服を着ているマネキンとポリエステル100%の服を着ているマネキンの服に火をつけてみたところ、綿100%の服はもちろん燃えて黒い燃えカスができたのですが、ポリエステル100%の服は、溶けて、高温のままでマネキンにくっついているのです。
綿は肌から離れていきますが、ポリエステルは肌についたまま取れません。いずれも肌は火傷を負いますが、そのダメージは大きく違いがあります。
石油が原料であること、高熱で溶けるということはしっかりと覚えて、火や熱には十分に気を付けてください。
 
見た目やプライスだけではなく、その素材の特性も知りながら、ファッションに取り入れて、楽しんで欲しいと思います。

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