春になって、これから何が流行るのか、女性はとても気になるところです。レディスファッション市場で今、何が売れているのか？を、都心の百貨店、ファッションビル、路面店などの定点観測からレポートをしています。今の旬のファッションは何か、何が飾られていて、提案されているのか、今年らしさのポイントは何か、昨年までとは何が違うのか、といった観点から女性の服の買い物や毎日のコーディネートの参考にしてください。
◇ビスチェ
20～30代の女性に人気のブランドでは、ビスチェがメインディスプレイで提案されていました。SLOBE IENA スローブイエナでは、白の刺しゅう入りのビスチェをブルー×白のストライプシャツの上に合わせてワイドデニムパンツでコーディネートしていました。ビスチェがなければ、さわやかな春定番のスタイルですが、「ビスチェ」というアイテムをひとつ加えると、今年らしい旬スタイルを作ることができます。
レイビームスでは、かぎ針編みのビスチェを半袖のカットソーの上に合わせていました。かぎ針編みのニットは手仕事感があり、コーディネートを少し崩すような、決めすぎないラフさを演出できます。多配色のニットビスチェでしたので、オリエンタルテイストが加わって、70年代ヒッピーのような雰囲気が出ています。昨年までは「シンプル、ミニマル、引き算のコーディネート」がこなれ感を出す、やりすぎないおしゃれとして人気でした。今年は「一つアイテムを加える、色も足す、ひと手間加える」という昨年とは違う、「足す」という新しい提案が見られます。
◇ロング丈コート
トロミのある軽くしなやかな素材のロング丈の羽織物は、多くのブランドで見られました。スナイデルでは胸元に刺しゅうを施したロング丈のコートをディスプレイしています。アダムエロぺでもステンカラーのロング丈コートを展開しています。
◇スモッグ風プルオーバー
数年前にも現れた、身幅ゆったりのスモッグ風トップスが、この春出てきました。胸元に刺しゅうが加えられているものや、袖を切り替えてひじ下から袖口にかけて広がる、ベルスリーブなどが多く展開されています。袖にボリュームを加えたシルエットはまだまだ継続して人気のディティールです。
◇ストライプ
今年は春先からストライプが人気です。今年のストライプは3色展開のものが多く、そのストライプのピッチ（幅）は均一ではなく、色により太さが異なっています。このような他配色のマルチストライプは多くのブランドで出ています。アダムエロぺではオールインワンのパンツがマルチストライプで提案されていました。ボーダーも同様に、2色より3色で、幅の違うボーダーがセーターやニットワンピースで見られています。これもまた、70年代のヒッピースタイルからインスパイアされているモチーフです。すこしだけレトロを取り入れる、上級おしゃれです。
