前回は水にまつわるトラブルを起こす可能性のある素材について、コラムを書きました。
今回は、水にまつわる良い点を持つ素材について書いていきます。
【吸湿性、吸水性が良い】
吸水性が良いというのは、汗をかいたときにその水分を吸い取ってくれる性質で、活動する人間を包む衣類にとって嬉しい機能性です。綿や麻、絹、レーヨン、キュプラ、テンセルなどは吸水性のよい素材です。
綿、麻、絹は天然繊維です。レーヨンとキュプラは再生繊維といって、木材パルプを原料としてます。テンセルも木材パルプを精製して作ったセルロース繊維で森から生まれた繊維と言われています。テンセルは比較的あたらしく開発された素材です。湿潤している状態でも強度が低下せず、丈夫です。速乾性もあり、取り扱いやすく優秀な素材です。
【水洗いでシワになりにくい】
洗濯をして脱水されるとシワがついてしまうのですが、乾かしてみるとシワが気にならない、シワになりにくい素材があります。ポリエステルやナイロンはシワになりにくい素材です。天然繊維でウール(毛)もシワになりにくい性質があります。
【色落ちしにくい】
ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は、染料が安定しやすく、洗濯などの水や摩擦の影響で色が落ちる、というトラブルが起きにくいと言えます。人工的に作った繊維で、品質も安定しているので、取り扱いがラクです。速乾性もあるので、ファッション衣料品のほかに、スポーツウエアなどに用いられることが多いです。
その特性に合わせて、衣料品は素材を選んで作られています。着用するわたしたちも、その性質を知っていると、衣類でのトラブルを回避できるだろうと思います。気に入って買った服ですから、大事に取り扱ってきれいに着ていただきたいです。