水によってトラブルになりやすい素材があります。水による主だったトラブル例と該当する素材を挙げてみます。
【水洗いで縮む】
綿、毛、レーヨン、キュプラなどが、水洗いで縮みやすい代表的な繊維です。
天然繊維である綿や毛は、水によって縮んでしまうことがあります。綿は洗濯をすると水の影響で縮みますが、そのあとアイロン等で伸ばすことで回復することがあります。
毛は、水分と摩擦と熱を加えることで、フェルト状に縮んでしまうことがあります。フェルト状になると、もとに戻すことは難しいです。気をつけましょう。
【水洗いで色落ちしやすい】
麻は、染料がなかなか入っていかないため、表面に染料がのっている状態です。水洗いで色が薄くなってしまう、色落ちしてしまうことがあります。
【水でシミが付きやすい】
シルク、レーヨンは、水がしみこむと繊維が膨らんでいきます。まわりの乾いているところは膨らんでいないので、水の影響を受けたところとの境目に凹凸ができてしまいます。そのまま乾くと生地がでこぼこしたままです。光が反射すると、いったん濡れたところだけがシミのように見えてしまいます。
天然繊維のシルクや木材パルプを原料にしたレーヨンは、どちらも水に弱いのです。加工によって水が繊維に沁み込まないようにしたものが、今は出てきているので、シルクでもレーヨンでも水洗いができる服が増えてきています。
今は繊維の加工によって、その性能が改良されているので、ひどく縮むなどのトラブルは減っているのではないかと思います。でも、繊維の持つもともとの性質をしっかりと知っておくことで、取り扱いにも気が配れるし、ながくきれいに着ていられると思います。