素材の基礎知識 ナイロンについて

2017.11.20 (月)

ナイロンはポリエステルとともに、汎用性のある2大合成繊維と言われています。
共通点としては、両者ともに石油を原料とした合成繊維であり、比較的リーズナブルに生産できることです。
また、衣服で使用する際の性能としても、共通する点が多くあります。強度や耐熱性などはほぼ同等と言えるでしょう。弾性率はナイロンのほうが小さいため、ナイロンのほうが肌触りがやわらかいという特徴があります。

◆ナイロンの基本性能

もともと、「ナイロン」はデュポン社の商標名の一つです。
デュポン社が商品化に成功した当時のキャッチフレーズは、「クモの糸より細く、鉄よりも強い」で、
細く、強い繊維として注目されました。
ナイロン製品の代表格はストッキングです。今日でも幅広く使われています。また、ウールなどの繊維を補強する目的で混紡され、とくにニット製品に用いられています。
一般的に私たちが使っている汎用性のあるナイロンは、プラスチック・樹脂素材です。その特性として、引張強さがあり、また、耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐寒冷性、耐磨耗性があると言われています。
また、燃焼の特性については、燃えにくいだけでなく、自己消火性のものが多いのも特徴です。これがナイロンの難燃性ですが、燃えた時、ナイロンは燃え広がらず、徐々に火は消えていきます。煙もたちにくいです。においは毛の焦げたような臭いがします。ちなみに、ポリエステルは、燃えやすくて、黒煙が立ちます。燃えた時のにおいは、刺激臭がします。
ポリエステルもナイロンも基本的に吸水性は低い素材ですが、繊維に何の加工もしない状態で比較すると、吸水率はナイロンのほうが高くなります。とはいえ、天然素材の綿、絹、ウール、カシミヤなどと比べると水分保持の機能は低くて、冬の乾燥時期には静電気が起きやすいです。
 
◆ナイロンとファッション

1)染色しやすい!
衣服への使い方としては、染色性がとても重要なのですが、この点でナイロンはポリエステルよりも優れています。構造上、染めやすくて、鮮やかな着色が可能です。
2)熱セットしやすい!
また、ポリエステル同様に。熱可塑性(ねつかそせい:糸や織物にある形を与え、熱を加えると、その形が固定される性質)がありますので、プリーツセットなどに有効です。この秋冬にも、プリーツは注目されているので、よりナイロンの重要性を感じるシーズンになると思います。
 
◆ナイロン製品の取り扱いを知っておきましょう!

ナイロンはその性質から、衣服の取扱いの注意がいくつかあります。
紫外線により、白いものは黄色く変色することがあります。日焼けしないように、保管場所には気をつけましょう。また、アルカリには強い反面で、酸に弱く、付着すると黄色く変色することがあります。
 
素材の特徴を知って、少しだけ気をつけていると長くお洋服をきれいに楽しむことが出来ると思います。

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