テキスタイルに夢中! ④織り組織のバリエーション

2018.10.18 (木)

さまざまな工程を経て、そしてたくさんの工夫や技術によって進化して、糸が出来上がります。その糸を経糸と横糸として渡しながら交差させながら織り上げていくといつしか生地が出来上がります。

昔話にある鶴の恩返しで鶴が機を織る様子が描かれていますが、縦、横と糸を渡して夜なべ仕事をして、お世話になったお礼をしようとしていました。この光景を想像すると分かりやすいと思います。
私の祖母も、その昔は夜に良く機を織っていたそうです。幼少の父が、昼間に興味本位で機を触って、間違えて織って祖母に怒られていたそうです。今はもう機織り気も使わなくなり処分されてしまったそうで、私も本物を見たことがありません。今になって、自分でも反物を織ってみたいな、と思います。
織物は経糸と横糸で出来ているのですが、その糸の渡し方で一番ベーシックなのが平織りです。縦・横・縦・横と順番に糸が交差されて織り組織としてわかりやすいです。そして強度もまた安定しています。平織りをスタンダードとして、どんどんと発展形が生まれています。まずは基本の3原組織を紹介します。
縦1に対して横2の割合で糸を交差させていくのが綾織り(ギャバ)です、デニムやチノパンなどではギャバが多いです。
縦1に対して横5(横8もある)割合で糸を交差させたものがサテンです。サテンは平織りと比べると交差している箇所が少なくなり、このため光沢が出るし滑らかな触感になります。そのかわりに若干、強度は落ちます。
平織り・綾織り・サテンがベーシックな三原組織ですが、この3つの織り組織は進化して、二重に配列した生地の上下に糸を渡したりすることで、組織のバリエーションが増えています。織り方の工夫によって、柄を出すことが出来ています。ここは説明が複雑なので割愛しますが、ジャガード織やヘリンボーン、バーズアイ、そして一色だけでもチェック柄にすることも出来ます。
高級なスーツの素材でも、一見無地かと思って近くに寄ると、実はストライプになるように織組織を変化させていた、みたいな発見があります。華美な装飾はないのがビジネスでの場面ですが、素材に織り柄が見えたりすると、隠れたおしゃれだな、なんて少し印象が良いほうに変わったりしますよね。注:個人的見解です。
デザインはファッションにとって不可欠な要素で、とかく表面に見えている部分で、お洒落を語っているところもありますが、そのアイテムはどんな素材で出来ていますか?そしてどんな組織で出来ていますか?織り方にも気づけるようになると、ファッションマニアとして認定される資格があると思います。

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