エコファーってなに?(2)~フェイクファーのボア 

2018.12.20 (木)

この冬のトレンドキーワードの一つに挙げられる「エコファー」。20代向けブランドから30~40代向けのブランドまで、今、店頭には必ずといっていいほどエコファーのアウター(コートやブルゾン)が並んでいます。今年特に注目されているのが、毛足のある皮革も似せて作られた素材です。毛足が滑らかできれいなタイプではなくて、もこもこした、ちょっと古めかしい印象を抱く素材のものが、今の主流です。

ちなみにエコファーは、本物の皮革ではありません。では、何で出来ているのか、皆さんはご存知でしょうか。
一昔前は、「アクリルボア」と言われていたこのもこもこ素材ですが、今はポリエステルの進化によって、多くの衣料品に使われるもこもこファーはポリエステル素材に変わってきています。その作り方は、経糸と横糸を渡して織り上げる生地にもう一つ余分な糸を渡して、ループを作ったものをベースにしています。これは、タオル地のパイルを想像していただくと分かりやすいと思います。このパイルのループを切って、まるで起毛しているようにしているのがエコファーの基本構造です。この起毛部分となるループを多く作ることで、ボリュームが出ますし、イメージに近い素材を作ることが可能になります。
性質としても、メリットが多いのも、エコファーの特徴です。毛を模している繊維がポリエステルやアクリルなどで出来ているため、水の影響を気にしなくて良い、カビなどが付かないなど、お手入れや扱いがぐっと楽になっています。また、合成繊維であるので、天然素材の持つ不安定な性質も気にすることなく、均一な染色ができます。毛皮の様々なデメリット(部位によって柔らかさやシワなどが違う、水分に弱い、熱に弱い、日焼けに弱いなど)をカバーできると言えます。
扱いやすくて、ファッショナブルで、比較的安く手に入るのがエコファーです。見た目の可愛らしさに加えて、その素材の作り方や性質・メリットなども考慮しながら洋服を見ていくと、その価値が高まってくると思います。ファッションはとても奥深いのです。

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