大型連休が明けると、アパレルブランドでは、店頭の打出しを大きく変更します。春立ち上がり、春本番から初夏を打ち出して、連休後には、夏本番をイメージさせるような雰囲気を作っていきます。
季節を変化させていくための大きな要素の一つに、「色」があります。今回は色について記載していきます。
2016年の春夏のシーズンは、とても画期的な色の打出しが見られました。「全身、白コーディネート」です。これはこの年の冬も継続しました。冬の「全身白コーデ」は長い間アパレルのトレンドを見続けていましたが、初めて見ました。冬の「白」提案は雑誌の中で騒がれたり、モデルやTVの中のタレントが着ていたりしていましたが、この年の「全身白コーデ」は、街を歩く一般の方が、取り入れていました。世に浸透した本物のトレンドとして、「全身白コーデ」が盛り上がって台頭したことに、感動した記憶があります。もともと、冬は重衣料(コート)が加わるので、コートで白を選ぶことがなかなか難しいともいわれています。コートを選ぶなら、長く着用できるように、または合わせやすいようにと黒や茶などのベーシック色とすることが多くなる傾向があります。ですので、冬の白がトレンドキーワードに上がってくることが、特に印象深かったのです。
さて、2018年の夏です。
白は夏にとって、清涼感を出すためにスタイリングに欠かせない、重要な色です。トップスにもボトムスにも使われていました。2016年での全身白コーディネートを経験していることが効いているのか、ボトム(パンツは特に下着が透けるのが怖いという理由で)で白をチョイスするのも抵抗がなくなっているように感じます。
この時期の色合わせを見ていると、キャリア世代向けのブランドにおいては、アースカラーと白との組み合わせが多いように感じました。アースカラー(茶色、テラコッタ、サンドベージュ、くすんだマスタードイエローなど)のニットやシャツと白ボトムなどが多く提案されていました。
ラルフローレンポロでは、店内半面でオール白コーディネートとネイビースタイルを、反面で黒+カーキといったアースカラーで、大人っぽいスタイル提案をしていました。
白という色の使い方は、その年、そのシーズンごとに変わっていきます。その時々の旬の使い方があります。白は、効果的に取り入れていきたい色のひとつです。