ファッション界において、流行色は2年まえから決まっていることは、ご存じのかたも多いと思います。しかも、その流行色を決めているのが複数あるので、あれもこれもと流行色は一つではないのです。
まあ、なにも一つに絞らなくともいいのではないかと思っていますし、実際にその色がずばり日本のトレンドに上がってくるかどうかは別の話なので良いのです。
さて、2020年春夏、ファッショントレンドどころではない状況ですが、アメリカのパントンが発表したトレンドカラーは「クラシックブルー」です。
ここから2020年秋冬シーズンにはセルリアンブルーという鮮やかな空色が提案されてくると言われています。パリコレなど世界のメゾンが出展するコレクションにおいて、エンポリオアルマーニ、グッチ、バレンシアガ、マークジェイコブスをはじめ、実に多くのデザイナーがセルリアンブルーの衣装を発表していました。
セルリアンブルーは、きれいな海の色。または絵具で見る空の色です。目の覚めるような鮮やかさ。
関係ないけれど、色には意味があって、人間の身体の”のど”のあたりを「青」が示しています。青は人に伝えていく、という意味を持っていて、青だと声を使って伝えていく。顔を合わせて対話していくというイメージです。これに対してセルリアンブルーのような水色、ターコイズブルーなどは、たくさん人たちにむけて伝えていくという意味があります。声というよりはネットで多数に向けて発信するような感じです。
自粛の時期に、世の中がオンラインでの仕事へとシフトしました。これは一時期の、とりあえずの方法ではなくて、これから一層発展していく伝達法なのだろうと思っています。多数に向けて発信できるセルリアンブルーがこの2020年の秋冬のキーカラーというのは、偶然なのか、なんだかしっくりきすぎていますよね。
コレクションでは、サテンのブラウスやワンピース、表革のコートなど光沢感のある素材にセルリアンブルーの色が取り込まれていました。明るい冬の装いが見られます。この色の服が店頭に並び、この色のように明るく華やかな秋冬のシーズンになっていることを願います。
20年秋冬の、もうひとつのトレンドカラーについて、記載しました。
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