2020年春夏ファッショントレンドを、世界のメゾンコレクションの提案の中から予測されるキーワードをベースにしてポイントごとにまとめています。今回は「ディティール」について。
クラシック回帰という大きな流れの中で、中世ヨーロッパの貴族の衣装からインスパイアされた作品がコレクションでは多く提案されていました。
1)ふんわりボリュームのある袖
新しいディティール(デザインポイント)として、袖の形にエレガントさが加わっているのが目立っていました。パフスリーブ、バルーンスリーブなど、ふんわりとしたシルエットでボリュームのあるデザインを取り入れているブランドが多くみられました。ニナリッチ、バレンティノ、ルイ・ヴィトンなどのコレクションにも、ふんわり袖が登場しています。
2)ペチコート(ペチュート)
貴族のドレスは、ウエストをコルセットできゅっと絞って、スカートをふんわりと広げるシルエットのプリンセスラインと言われるデザインが、女性らしさを表現するとして重用されていました。これは2020年のファッションに、多少なりとも影響してくると思っています。ボリュームを出すためのペチュートを用いて、ふんわりと広がるスカートのラインを再現するようなスカートが出てくるのではないかと思っています。
ウエストをきゅっと絞って女性らしいボディラインを出すのが良しとされるクラシックな貴族のドレスですので、この色が強くなってくると、いま流れている「ゆるい、抜け感」がかっこいいとされる風潮は、少しずつ変化し、旬と言われる対象が変わってくるのではないかと思います。それをこの数年、ずっと待っていました。
ファッションのトレンドの向きが変わるのは、本当に楽しいものです。新しい時代のスタートです。伝統的な衣装にみられるファッショントレンドが、2020年に流れることを期待しています。
次回はバッグについてまとめていきます。