12月になりました。レディースファッション市場はそろそろ間近になってきた「冬セール」前の大事なプロパー販売期間になります。セールに入ると、換金していくために割引をして販売をしていきます。在庫量との兼ね合いになりますが、日々の販売データから傾向を把握して販売価格に変更をかけていきます。お客様としては安く買いたい。メーカーとしては高く買ってもらいたい。会社を離れると冷静に観察できて、セール時期も楽しく市場を見て回ることができるようになりました。
12月初旬の店頭ですが、20~30代カジュアルブランドでは、アウター(コートやブルゾン)が10%ほど割り引いて販売されているのを多く見ました。まだ本格的なセール期ではないのですが、メーカーとしては「割り引くのは早いけど、今のうちに高く売りたい」、もしくは「季節感が強いものは早めに売り切りたい」のです。それは、残ると困るからです。
そんなことを考えながらいろいろなショップの展開を見てきました。
さて、20~30代向けのカジュアルブランドでは、小花柄で薄くドレープ性のある素材でのロング丈のスカート(もしくはロング丈のワンピースやキャミドレス)が目立っていました。これはキャリア向けのブランドには見られない提案です。この小花柄のロングスカートと合わせるのはざっくりニットです。ボトムにボリュームが少ない分、トップスの素材には冬らしいしっかりとした編地のニットを持ってきているスタイルが多いように感じました。
アダムエロペでは、小花柄のワンピースときれい目のウールモッサのコートを合わせて、年末年始のお出かけコーデが見られました。イエナスローブでは、小花柄のスカートにざっくりニットとショート丈のアウターを合わせていました。ショート丈のダッフルコートやトレンドのフェイクファーコートをニットと柔らかな素材の小花柄スカートを合わせて、カジュアル感の中にも、スカートの柔らかくなびく素材感がフェミニンな雰囲気があります。
こんな風に、同じ時期でも、ブランド・ショップによって打出しやスタイリングの傾向に違いが感じられます。それを見ていくのが私は本当に楽しいです。もう、10年20年と続けてきているので、これからも続けていこうと思います。