服の色は、洋服を選ぶときに悩むポイントですよね。その色は、何で色が付けられているのでしょうか。ご存じですか?
色を付けているものは「色素」です。色素には「染料」と「顔料」の2種類があります。染料は色素が繊維の内部まで浸透して結合します。顔料は色素の粒が大きいので、繊維の中に入り込みません。熱と樹脂によって繊維の表面に留まっています。コーティングしているような感じです。
おおくの服の色は染料が用いられています。染料には、天然染料と合成染料があります。
天然染料というと、デニムで有名なインディゴを思い出す方もいるかと思います。もともと天然の藍をつかって染めたものですが、現在のデニムはインディゴの色を残しつつ、合成染料で染めるのがほとんどです。天然はその風合いが素晴らしいのですが、色が安定しない、色落ちしやすい、擦るとほかに色が移るなど取り扱いが難しいです。
今、販売されているほとんどの衣料品は、合成染料で染められています。合成染料の原料は、コールタール由来のものや石油由来ものです。天然染料よりも同じ色が作りやすいし、染めた後も色が安定しやすいです。直接染料、酸性染料、バット染料、反応染料など種類がありますが、繊維によって適切な染料を用いて染められています。
染料を使って、染められていくのですが、その染めるタイミングもいくつか手法が分かれています。糸の段階で染められて、そのあとに織って生地にして裁断して縫製して服になる、というものもありますし、生地になってから染められていくものもあります。柄がプリントされた生地には多い手法です。複数の色の糸を使って織りながら模様を作っていく生地もあります。
アパレル会社員時代に、染色工場を見学させてもらったことがありますが、もう楽しくて仕方なかったです。糸を巻いたコーンを染料に付けているゾーンがあって、染料の状態、熱の加え方、湿度の設定、染め時間など細かく設定されているのを見て、染色は本当に繊細な作業なんだなと感動したのを覚えています。
大切に染められた服ですから、大切に扱ってきれいな状態で着たいですね。服は本当に面白いです。