気に入った洋服は、着る機会も増えますよね。でも着用を繰り返していくと、ふと見たときに、洋服が白っぽくなっていること、ありませんか?白っぽくなったのは、「全体的に」という場合と「部分的に」という場合があるかもしれません。
全体的に、という場合は、着用、洗濯を繰り返して、色がすこしずつ褪せてきたのかもしれません。着用、洗濯を通して繊維の表面が擦れて、平だった繊維の表面が毛羽立ってきて、ここに光が乱反射することで、視覚的に本来の色をキャッチすることが出来なくなります。このために白っぽく見えてしまいます。
部分的に、という場合は、着用のときに「白っぽくなった」原因があるかもしれません。例えば、ショルダーバッグとかの手荷物を持っているとき、それと接していた洋服の部位が擦られて、洋服の片側だけ白っぽくなってしまうことがあります。
また、色のついた綿のパンツを履いているとき、膝をつくことが多いと、膝の部分の繊維が擦れて、ひざ下だけ白っぽくなってしまいます。デニムパンツも多くは綿のパンツです。綿は、その特性でなかなか内部まで染料の色素が入っていきません。繊維の表面は染まっていても内部は白いままです。
膝をついて掃除をする、作業するなどを繰り返していると、デニムも膝だけ色が抜けてしまうことになるので、このようなときにはお気に入りのデニムは履かないようにした方が良いでしょう。
本来デニムは金鉱を掘る作業員の丈夫な作業着ではありましたが、ファッションとして取り込まれている現代では、目的に応じて着用したほうがいいでしょう。デニムフリークは、デニムを履いた時に膝をつかないようにしていると思います。
アパレルメーカーに勤務していたとき、販売店への指導に回っていたのですが、デニムの取り扱いとして、擦ると白っぽくなることから、膝をつくことは避ける、洗濯するときは、裏返してネットに入れて洗濯するように伝えていました。裏返すことでインディゴの染料へのダメージを軽減するためです。
ちなみに、擦ることで白っぽくなりやすい素材があります。綿がダントツで一番なのですが、他にも絹、麻、リヨセル、レーヨン、ポリノジックなどの素材が白っぽくなりやすいです。そして濃い色で染色されているほど多く発生します。お気に入りの服は、大事に着てくださいね。