2020年春夏のファッショントレンドについて、パリをはじめとする世界のコレクションで出展された作品から見えたトレンドキーワードごとに、どんなものが注目されているのかをまとめています。今回は2回目、素材について。
素材は、原料として何が注目されているか、を取り上げます。デニムは綿ということになりますが、もうひとつの素材として定着しているので、「デニム」として記載していきます。
パリやミラノのコレクションで、目立って使用されていた素材を2つご紹介します。
1)皮革
リアルもフェイクも明るい色使いのレザーが目を引きます。サスティナブル(継続可能な)な素材の利用の仕方であるかどうか、その動物が絶滅の危機にないか、また環境を破壊するようなものではないかという点でいっそう厳しい目がどの業界にも注がれていて、ファッション業界もまた例外ではありません。この点からも、ファッション業界でもフリーファーの流れにありますが、洋服のために殺傷するのではなく、食用などで、すでに亡くなった動物の皮革は、これからも使われていくでしょう。ルイヴィトンLouis Vuitton、エルメスHermes、ロシャスROCHASなど、多くのブランドで、皮革、しかもポップでフレッシュな色で提案されたアイテムが新鮮です。
2)デニム
シャネルCHANEL、ジバンシーGIVENCHY、セリーヌCELINE、サンローランSaint Laurentなどがデニム素材を多用していました。半端な丈(ショートパンツやハーフパンツ)が多くみられました。全身デニムというスタイルも、目立っていました。デニムは、いつのシーズンでもトレンドから外れることのない、まさに定番の素材です。春夏の軽快なシーズンに、今年らしいデニムコーディネートが楽しめるのではないかと思っています。どんな提案として出てくるのか(全身デニムコーデか、ハーフ丈パンツで表現するか?など)、個人的にも期待しています。