2017年秋口の人気素材~ピーチスキンタイプに注目!

2017.09.19 (火)

今年のファッションも秋商戦が始まっています。
素材をチェックしていくとピーチスキンタイプの素材が目立っていました。
 
「ピーチスキン」タイプとは、織物の表面を引っ掻いた加工をして表面を毛羽立たせたものです。桃の表面のうぶ毛でほわほわと短い毛が立っているような、生地表面になります。起毛素材のひとつです。
チノパンツも秋のトレンドアイテムですが、一見、春夏に展開されていたチノパンツに見えて、近くによると表面の柔らかい温かみの感じるピーチスキン加工の生地で出来ていて、秋への季節の変化を感じます。
 
起毛素材として、このあと冬に向かってスエードタイプも出てきそうです。
本物の皮革の代替素材として、スエード調の合成皮革も技術開発が進んで、柔らかくてしなやかな風合いのものも出てきていて、今は安価に製品化されています。スエード調の合成皮革では、東レの「エクセーヌ」が有名です。
動物愛護の観点からも、ますますの技術開発が進み、そして、ファッションがもっと気軽にお手頃に楽しめるように進化していくことを期待しています。
 
また、もっと起毛素材が出てくる中で、可愛さ抜群の「モール糸」使った素材も注目です。
ジルスチュアートでは、秋の立ち上がりでは、モール糸で編んだトップスとスカートのセットアップを展開していました。糸の毛羽がたくさん立っていて、もこもこした表面は柔らかくて触り心地の良い素材です。
モールはパイルになる糸を巻きつけた二本の芯糸を撚り合わせ、さらに巻き付けた糸をカットしてパイルにしてできあがります。パイルは脱落しないように熱溶融性樹脂を使って接着しますが、樹脂の量が多くなるとモール糸の風合いが硬くなることから、使用量が制限され、パイルの脱落を完全に防止することは難しい状態と言えます。
モール糸を使用した製品には、おそらく「引掛けや摩擦に注意」という内容の取扱い注意タグがつけられていると思います。
 
私自身、洋服が好きですが、デザインはもちろんのこと、素材の原料やその加工過程、紡績、染色方法、織り・編み方などに子供の頃から強い興味がありました。素材は何か、素材は何でできているか、それはどのように糸になっているのか、その織り方や編み方はどんな風になっているのか、という側面を知ると洋服がとても大切なものになります。
ファッションは、見た目のバランスの美しさや楽しさが大切です。ファッションをより一層楽しむために、お気に入りの服のルーツにももっと興味を持っていくと良いと思います。

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