雨の多い季節になりました。梅雨ですね。
雨は雨で、自然の恵みとして有難いと思いますし、雨の音とか、気持ちを静かにしてくれます。雨音を聞きながら、本を読んだり、資料をつくったり、作業をすると、とても集中できます。穏やかな気持ちで静かに過ごすことが出来る、そんな季節です。
でも、外に出る予定があると、少し話は変わります。雨で、濡れる・足元で跳ねるなどで服へのダメージがあるので、外出時の服装は気になりますよね。
さて、この梅雨時期に店頭に並ぶ服の色味について、書いていこうと思います。
毎年、大型連休が終わり、旅行やイベントで騒いだあと、そろそろやってくる梅雨対策グッズとともに、ダークで鈍く重い茶ベースの色味の服がアパレルショップに並び始めます。レンガ色、テラコッタ、赤茶色、茶色、黄土色、マスタード色、などです。少しだけスタイリングの中に白っぽいベージュを加えて構成する、という色の打ち出しが見られます。ほぼすべての20~40代くらいをターゲットにした婦人服売り場で、見られます。
これらの色は、丸めて「アースカラー」と言います。地球上にある色、自然界の色です。レンガ色は、土の色でもありますが、モミジが紅葉し赤く染まったような色味でもあります。秋の季節に自然界で見られるような色と、思っていただけると分かりやすいと思います。
その重さのあるアースカラーを、アパレル業界は梅雨時期に提案しています。5月の爽やかな初夏の提案から、色替えをして新鮮さを保つには、ほんとうに適していると思います。そのうえ雨の影響で選びたくない白ではなく、少し濁った色味もまた、雨の時期にぴったりなのかもしれません。
自分がアパレル会社にいたときは、雨の汚れとの相関性など考えたことがなかったのですが、リアルクロージングを追求する今のスタイリストとしての仕事においては気候によってのダメージも考えるようになりました。みんな、雨で大事な服を汚したくないのです。
また、真夏日の手前の気温がおおい梅雨時期の衣装は、夏が終わって秋に向かうころと近しい気温帯となります。ですので秋口にも利用できる、着まわすことができるのも良いところです。これもアパレル会社にいたときには、考えたこともなかったことです。なぜなら、新しく秋の服を買って欲しいから。
色を変えて新鮮な気持ちでスタイリングを組み、雨の汚れも目立たず、秋口にも着用できるアースカラー。大人っぽくてステキな色調です。
でも、似合う人と似合わない人がいるので、注意しましょうね。
似合う人はそのまま使って、似合わない人はひと工夫して着てください。たとえ、似合わない色目の服でも、工夫することですてきに見せることはできますよ。
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