3月は何といっても春物売上のピークを迎える週です。
年のはじめから数えて11~12週において一番客数と単価が上がるのです。3月の下旬に当たります。
新しい年度を目前に、社会人になる方や、働く環境が変わる方もいるでしょうし、職場環境が変わらなくとも季節が変わって服を新調したいと思うころです。とくにジャケット、ボトムとインナーといったオンタイム、通勤着向けの服はこの時期の需要が高まります。しかし、今年の春は洋服の販売が芳しくないようです。
今年は感染拡大防止のために人が混む場所に行かないような傾向にあって、街は人が少ないです。単純に中国はじめとして観光客がいないので、道路もスムーズに歩けますし店もゆっくりと商品を見ることができています。
それでも服は、外に出て買いに行くことができないから売れないのではありません。それは今の時代ネットでいくらでも買うことができるのです。着ていく場所、機会がないから売れない。
家にいても仕事はできます。テレワークは今後も一層浸透して活用されていくと思うし、働き方が自由になることはとても良いと思っています。一方で、人の前に出ることで、ニーズが発生するものは少し状況が厳しいです。衣食住といいますが、食と住と衣は位置づけが違うようです。保温や吸湿性など、快適に生きていくために必要といえますが、新しいものが必ずしも要るのかとなると別なのかもしれません。
服は、人に見せる機会があって需要が生まれます。卒業式があるから、会合があるから、友達と会うから、コンサートがあるから、旅行に行くから、そのための服が欲しいのです。
今回卒業式の縮小ということで、父兄の式参加がないという学校が多いようです。機会が奪われることでセレモニー用の服のニーズが減っています。春の時期の出社の機会が減ると、まだ服は買わなくていいかと後回しになってきます。ライブの中止、イベントの中止も洋服のニーズを妨げているようです。ちょっとつらい時期です。
もちろんアパレルだけではなく他にたくさんの業界で影響が出ています。ホテル業界も飲食店も給食業界も酪農家も大変です。
外へ向かう機会が減った今の時期、こんな時期ですから、今は自分のために時間を使う時期としたいなと思います。