形を変えて引き継いでいくもの

2018.10.06 (土)

築地市場が10月6日までの稼働をもって終了し、週明けから豊洲での営業がスタートします。築地市場は83年の歴史に幕を閉じるとあって、メディアでも築地特集が盛り上がっています。

トタン屋根や古く傷んだ建物、端が破れてガムテープで補強しているビニールの軒とか、経時劣化が至るところに見られていた築地場内の飲食店は、それだからこその風情がありました。そして、市場ならではの活気がありました。ノスタルジックな雰囲気がありました。場外も含めてすっかりと観光地化していますが、それはそれで素敵なことで、海外の方に混じりながら、ただ散歩するだけで楽しいエリアです。

老舗のお寿司屋さんはいつもいつも行列で、諦めたりしましたが、最後、築地の場所にあるうちに一度行けば良かったなと思います。でもまあ、終わるわけではないので、市場でのお寿司の名店を満喫するのは、新しい豊洲市場に遊びに行く楽しみとして取っておこうと思います。

築地の積み重ねられて出来たステキな風情がなくなるのはもちろん惜しいと思いますが、やっぱり老朽化による何か大きな被害が起こってしまうのではないかと、一東京都民としては心配でした。火事になったりすると隣三軒の被害では済まないでしょうし、大地震が起きるとしたら、耐震性にはちょっと疑問が残る建物たちはどんな被害を受けるのかと思うと、移転で整った環境で再出発していただくと安心でもあります。

東京オリンピックまでに選手村や会場と東京都心を結ぶ道路の建設を進めたい都の目論見もわかります。地理的に築地がちょうどそのルートを邪魔しているみたいな感じですので、大勢の人の輸送力・キャパシティを考えると、なんとも無視のできない築地の移転問題でした。

築地の再開発が行われて、形は変えつつも一層の発展を遂げていける地域となって欲しいなあと思います。

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