会社を辞める前にこなさなければいけない課題がある

2018.01.27 (土)

私は今、個人事業主として仕事をしています。

その前は20余年、会社員でした。大学を卒業と同時に就職した会社を退職しましたので、勤務先は一社です。
会社員生活は、今振り返ると楽しいことばかりが思い出されますが、これは、私が区切りをつけたからのことで、現在の勤務を続けていたとするならば、目にしているのは苦悩の方が多いと想像できます。

組織の中で働く以上は、上司、部下、同僚、そのほか関連部署、取引先など多くの人と関わりあいます。仕事でストレスを感じていない人はいないと思いますが、自分を振り返ってみても、また、人々の抱えているストレスを考えてみてもほとんどは人間関係なんですよね。
特に直属の上司がそのストレスとなることが多いかもしれません。自分への影響が大きい相手こそがストレスになり得るのだから上司と息が合う合わないは本当に死活問題です。
私が勤務をしたのは一社でしたが、ずっと同じ環境だったわけではありません。望まない部署異動が2回ありました。一度目は管理部門から営業への異動でした。新設されたブランドの営業を一人で任されました。こんな大会社なのに、直で仕事を教えてくれる人がいない環境に置かれて大変苦労しました。
2度目の異動の際には、考え方の折り合わない上司に会いました。
検証会があり実績の報告と今後の計画とその施策の発表をするのですが、全否定で戻されます。意見を聞きやり直して再度報告することになりますが、この時も「そんなことを調べろとは言っていない」と言われ、その時の思い付きのまま新しい課題が出されます。その課題に取り組み、報告すれば、違うと。時間はどんどん進んでいきます。もう手掛けていかなければ間に合わない企画が通らず関連部署にも迷惑をかけることになり、かなりストレスを感じていました。
こんな人に役職を与えている会社への不信感も募り、退職も考えるようになりました。でも私が悪いわけではないので、私が抜けていくのはおかしい、と考え直しました。正攻法で進むべきだと決めて、自分の気持ちを立て直すために、たくさんの本を読みました。その中で出会ったひとつの方法が引っ掛かって、実践することにしました。
それは、「相手の良いところを10個書き出す」というものでした。こんなにイライラさせられている相手の良いところなんてあるわけない!と思ったのでが、これは「相手を好きにならなくて良い、嫌いなままで良いところを見つけるゲームだと思えばよい」と書いてあったので、やる気になったのだと思います。嫌いを好きと言わされるようなことは耐えられないけれど、嫌いな状況で問題ないならやろうと始めてみました。
でも何も書けませんでした。しばらくの期間、頑張って考えて、やっと思いついたのが、「新人の部下にも大きな声で挨拶する」ことでした。ひとつ思いついてからは行動を良く見るようになりました。「靴を磨いている」「髪を頻繁にカットして身だしなみを整えている」などが書けるようになりました。部下に自分から話しかけているのも見ましたし、10個良いところを書き上げるゲームは少しずつ進んでいきました。
そんなことをしていると、相手の対応が変わってきたのを感じるようになりました。態度が柔和になったのです。不可解な突き返され方が少なくなってきたようです。なにか長いトンネルの見えなかった出口を見たような気がしました。結局、人は変えられない。変えられるのは自分だけで、私はゲームを通して自分の態度を変えることが出来たのではないかと思っています。
 
その後に、会社の組織編成があり、その開いては私の上司ではなくなりました。無事解決です。でも私は部署編成という外的な要因によるものではなくて、自分で自分(の考え)を変えたことでこのパワハラという課題をクリアしたのだと思います。
これは会社員としての自分に与えられた課題をひとつクリアしたということだと思いました。この時に、もう組織の中で雇われて働くことから抜け出して、次に進もうと心の中で決めました。やり切ったという思いです。
それから数年後に、私は会社を辞めて、個人で仕事をする道を進むことにしました。
 
嫌だから辞める、ことも正しい選択なのだと思います。でも辞める前に、やり残したことがないようにしないと、同じ課題が別の場面でやってくるような気がします。

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