日本が誇る編立て技術!ホールガーメントとは

2019.01.21 (月)

ニットの編み立てにおいて、新しい技術が登場しました。といっても、もう20年以上も前のことですが。

私が勤務していたアパレルメーカーはもともとニット製品を得意として発展してきました。私が入社した時点ですでに布帛ものでの提案がメインになっていましたが、ニットへのこだわりはまだまだ残っていました。社内にはニットの博士のような社員もいて、こんな環境のなかで仕事が出来ていることがちょっと誇らしいと感じていました。
さて、他社さんではありますが、編立機のメーカーで島精機製作所さんが開発した新技術は活気的でした。私が所属していたブランドで、その編立技術を取り入れたニットを販売したのが20年ほど前のことです。その技術は「ホールガーメント」といいます。
通常のニット製品は身頃や袖、を別々に編み立てて、最後にアームホールや首周りを網目を拾ってつなぎ合わせていく手法をとります。これをリンキングと言います。繋ぎ合わせるところは、伸縮性に富んでいるほうが着脱しやすいのでリンキング糸はストレッチ性を持たせています。
これに対してホールガーメントは、ニットなのに、つなぎ目がなく一気に編み立てるという作り方をします。ストッキングをつま先から編み立てていくように、セーターならば身頃の裾から編み立て初めて、途中から、両袖を袖口から編み始め、肩で一緒に編むことで繋がって首元まで編みあがります。力が止まるところが一か所(脇の下)になっていて、通常とおりに編み立ててリンキングで繋いだ造りのものに比べてみると、力のかかるところがなくて着脱しやすいし、着ていても楽です。
この冬、ユニクロでも「縫い目のない革新的ニット“3Dニット”」として、ホールガーメントのニットを販売していて、セーターだけではなく、ニットワンピースまでアイテムを拡げて提案しています。
量産されるメーカーからの出展によって、より多くの方に新しい技術による着心地の良さを感じてもらえると良いなと思います。そして日本のニッターさんの技術革新が一層進められていくと嬉しいと思います。

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