今回は完全な雑談です。元アパレル社員によるアパレル業界についてのつぶやきとなります。
都内はまだまだ行動自粛期が続いています。もうそろそろかと期待しつつも、今は今まで通りに、出歩かない日々を続けています。いつもなら、ファッションの打ち出しに変化はないかな?と市場調査に出歩いているのですが、いまは百貨店もファッションビルも休業中で、行ったところで目的も果たせず。
いろいろストップしていてファッション業界はとてもつらい状況です。春の売上って一年の中でも一番難しいと、個人の感想ですがそう思っています。
気候、気温としては秋と重なるので、春服は秋にも使えて、通年活躍するものも多いのですが、色付けで、ペールトーンやパステル調の色になると、どうしても春っぽさが出ます。秋は、シックさを出したアースカラーや重みのあるダルカラーで季節の変わり目を表現したいので、春のポップさが感じられる色味が、なかなか通用しなかったりして。残って面倒なのが春の商品です(個人の意見です)。
春には春のニーズがあるので、春商品には何も非はありません。しかし着てもらうべき良い時期に、この自粛期間が重なってしまいました。購入は販売サイトを確立してきた会社はまだしも、それに追いついていないところはより一層厳しい。オンワードは手数料が取られるzozo脱却を目指して、自社オンラインストアを構築してきました。もともと自社販売サイトを持っているワールドはネット販売が2倍になったとの報道でした。実店舗以外での販路を持っているかどうかで、開きがあったのではないかと思います。変化に対応できないとビジネスは行き詰るという実例ですね。
とはいえ、ワールドでもそもそもネット販売のシェアが1割程度でしたので、実店舗の売上が0とするなら、もう壊滅的な売上げです。やはりアパレルは厳しい。洋服が欲しいもののリストから外れないように、洋服の楽しさを訴求していくことが、業界全体が働きかけていくことが必要なのかもしれません。
レナウンの民事再生法申請は、きたか、という感じでした。再建のために頑張っていたのでしょうが、中国企業からの支払いを踏み倒されたのが、原因で資金繰りが行き詰ったもので、コロナだったからかどうかは別ではないかと思います。まあ、コロナがなければ踏み倒されることもなかったかもしれませんが。日本の歴史ある有名なアパレルメーカーで(関係ないけど、私の友人も勤めているので)、とても残念です。ホワイナイト企業が現われて、なんとか立て直してほしいです。こういう時にMZ(前澤友作さんzozo創立者)は登場しないのか、なんて思ったりして。まあ、ないでしょうが。
既存のままで再生が無理ということをレナウン社員が思えるかどうか。スポンサーを探しているなら、ここがネックとなるのでしょうね。
アパレル業界だけではなく、様々な業界に打撃があり、それで淘汰もされて、新しい業態が生まれて、社会は変化していくのでしょう。それでもやはり、アパレルへの興味が強いので、今後もこの世界を観察していきたいと思っています。