黒の服ばかり着用していた時期があります。
高校3年あたりから大学4年間、そして会社に入って3年目くらいまでの期間、私の服は黒がベースでした。正確には黒とそれに加えて少し色を加えていたのですが、言ってみれば「黒白茶紺」というベーシック色でまとまっていたようです。
女の子らしい、可愛いという形容が本当に嫌な時期でした。クールでかっこいいなにかを目指していたのか?もう覚えいてはいないのですが、とにかく黒(それに準じるベーシック色)が自分を確立してくれる色なんじゃないかと意識していたと思います。
一般的に黒の持つ色の意味には「絶望、死、闇、恐怖、不安」などおどろおどろしい言葉が並びます。
私が10代~20代に黒を偏愛していたのは、黒のもつ強さの鎧のようなもので、なんのアイディンティーも確率していない自分を見せたくない、というちいさなプライドが働いていたのかもしれません。黒に守られているような気がしていました。
「家売るオンナ」の北川景子さんの衣装などを手掛けたドラマスタイリストの西ゆり子さんは、黒という色は疲れたときに着る色だと話していました。そうなのかもしれませんね。
とはいえ、黒が持つ意味には悪いものばかりではありません。
あらゆる可能性を秘めた色とも言われます。水墨画では黒の濃淡で風景を描くことができ、黒は5色を表す色だと言われています。そして絶対的な強さ、威厳も表しています。意思のつよさを示したいときには、ぴったりの色です。
シャープでかっこいい黒です。黒を選ぶ心理はポジティブなら強い信念のあらわれでしょうし、ネガティブならストレスを感じている、抑制している状態なのかもしれません。黒が着たいなと思う日の自分の気持ちを探ってみるのもいいですね。