色って、当たり前のように私たちの生活のなかにいます。色が私たちの生活に対していろいろな影響を与えていて、私たちは、その色の力をいろいろなところに利用しています。
赤や黄色は注意を引くので、工事現場や交通標識などで「禁止」「止まれ」「危険」などの強いメッセージには、よく利用されています。赤や黄色は、人間の筋肉を緊張させる効果があります。はっと目に留まるのです。
その一方で、ピンク色の「危険」標識は、きっと作られることがありません。ピンクは、やさしさ、安心、温もり、いつくしむという、母がこどもへ注ぐ愛情や小さなもの、ペットや植物を愛でる気持ちなどを意味しています。
アメリカの刑務所で、収容されている囚人同士の争いが絶えず、職員への暴力も発生するような、荒くれて統制のとれないところがあったそうです。その刑務所の中は、暗く重い黒っぽい天井、床、壁、鉄格子でした。この問題の多い刑務所を、天井、壁、床、鉄の扉もすべてピンク色に塗り替えました。すると、囚人たちのけんかはなくなり、争いがなくなったそうです。
人は顕在意識では覚えていなくとも、生まれてくる前のお母さんのおなかのぬくもりや柔らかさや安心感を覚えているそうで、ピンク色を見ることによって、その時の記憶が呼び起こされてくるそうです。たしかに、ピンク色の可愛い部屋にいたら、闘争心って湧きにくいようなきがしますよね。すごい効果だなと思います。
赤い壁紙、赤いインテリアの置かれた部屋にいると暑く感じ、青い壁紙、インテリアの部屋にいると寒く感じます。体感温度で2度違うという実験結果があるそうですが、夏にブルーのラグやクッションに変えると涼しさを感じるのは色が人間に与える影響がベースにあることを考えると、納得します。
色の効果の良いところは、なにか強い薬を服用するわけではないので、副作用がないことです。上手に色の力を利用して、優しい気持ちになったり、心地よく過ごせたり、やる気になったり、涼しく過ごしたり、場所や用途によってその場所を活かしていくことができるといいですね。