私たちは色の効果をふだんから使っています。
知らず知らずのうちに、意識しないで色の力を使っています。
赤と青を比較して、体感温度が違うというコラムを書いてます。
色の持つ波長のちがいで、心拍数が変わったり、暑く感じたり涼しく感じたりするので、その効果をうまく使うと、いつも快適に過ごすことができるのではないかな、と思います。
さて、今回は、時間について。
色の効果で、時間が長く感じたり、短く感じたりします。
色の波長、色の光は人の筋肉を緩めたり緊張させたりします。この効果は数字で表されていて(ライト・トーナス値)、赤は数値が高くて、筋肉をこわばらせて、血圧を上げます。一方で、青は数値が低くて、緊張を緩ませて脈拍も下がります。
この影響で、赤い部屋にいると、実際の時間よりも長くそこに居たという気になります。青い部屋では、実際に居た時間よりも、時間を短く感じます。
この効果を上手に使っているのが、外食産業です。
暖色系を使うと、時間が本当の時間よりも長く感じるので、ずいぶんここに居たなと思います。1時間いたのに、1時間30分いたような気分になります。
回転率が勝負のファーストフードでは、この効果は大事です。ハンバーガーチェーン店や牛丼チェーン店では赤い色やオレンジ色が多いですよね。看板だけではなく、内装もです。そういえば、逆に青い内装のファーストフード店は、見ないかも。
店舗設計では、もちろんどんなコンセプトの店舗にしたいのかを砕いて、そこから使う色を選んでいくのですが、すでに客の流れまで組み込まれているのかと思うと、さすがだな、と感心してしまいます。
単純作業をする工場では、実際の時間よりも短く感じる効果のある青を取り入れると、飽きずに快適に仕事がはかどりそうです。
色々な業界がありますが、それぞれで最適な効果をもたらすように、すでに色は使われています。
この看板や内装は、どうしてこの色にしたのかな?という見方をするとちょっとおもしろいですよね。
色と体感温度のコラムはこちらです。
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