色彩が人の心理に与える影響や効果は、いろいろな場面で利用されています。それを実証する、とても有名な話をします。
赤のコラムでも記載しましたが、赤は行動的、バイタリティに溢れ、積極的である象徴の色です。
赤は、見つめているだけで、人の心拍数を上げる効果があると言われます。その色に興奮作用があります。アドレナリンという覚醒ホルモンの分泌を促すと言われ、気持ちを奮い立たせるのです。
ビジネスの場で商談に臨むとき、契約を勝ち取りたいときに、身に着けることはトップセールスマン、とりわけアメリカでは定説とされています。トップビジネスマンが、赤いネクタイを着用して参加する昼食会があるのです。
アメリカのトランプ大統領は不動産王として有名ですね。ビジネスマンであるトランプが赤を使っているのは、強い意志で大きな商談に相対してたのだと思います。そして、赤にはリーダーというキーワードがあるので、トップに立つ人に相応しい色です。
大統領就任から100日も通過して、いよいよこれからが政権の本領発揮の時期となります。
今回は、さかのぼって「アメリカ大統領選挙」における色彩戦略について記載したいと思います。
色はその鮮やかな色彩に気が向きますが、色の彩度ではなく、明度でも人の印象に大きく色が関わっていることを伝えたいと思います。
有名な戦略として語り継がれているのは、ケネディが大統領選挙を戦うときに取り入れた色彩イメージアップ作戦です。当時のテレビは、カラーではなく色自体は表れていなかったのですが、白のシャツに対して、濃紺のジャケットと赤のネクタイをつけることで白とのコントラストをはっきりとさせました。これによって、若々しさ、強さというイメージを国民に与えることができたそうです。
オバマ前大統領は、黒人のもつ皮膚の色を最大限に生かした色映えを重要視して、やはり白いシャツと濃紺のスーツを着用していました。コントラストがはっきりとしたことで、精悍な印象を与えます。
人の印象は外見で決まるとも言われています。その外見の中でも色が与える印象はとても大きいのです。
アメリカでは、このようにここ一番の大切なときには特に、色の効果を上手に活用しています。普段から、私たちも色への意識を持って、色の効果を味方につけて、取り入れていきたいですね。